波乱に乏しかった今年の日本GPで負のハイライトと言えたのが、決勝レース中にマクラーレン・ホンダのエース、フェルナンド・アロンソ(スペイン)がチーム無線で叫んだ言葉だ。
「GP2のエンジンだ、アーッ!」
GP2はF1の下のカテゴリー。アロンソは「F1とは思えないほどパワーがない」と訴えたわけだ。叫びは国際映像でも流れ、ホンダの非力さが世界中にアピールされた。アロンソは「コーナーを完璧にこなして相手を抜いても、直線で抜き返される。欲求不満がたまる」と言う。日本GPでのマクラーレン・ホンダの平均速度はトップクラスより時速10キロ以上遅い。もう一人のドライバー、ジェンソン・バトン(英国)は「速度に差がありすぎて手の打ちようがない」とぼやいた。
現在のF1は排気量1.6リットルのターボエンジンに2種類の電気モーターを組み合わせた一種のハイブリッドで、パワーユニット(PU)と呼ぶ。非常に複雑なうえ、経費削減のためにテストと開発が厳しく制限されており、一度立ち遅れると先行するチームとの差を埋めるのは難しい。
ホンダは空力面の利点を考え、コンパクトなPUを開発したが、開幕当初は高熱の発生に悩まされた。現在は「熱の問題は解決した」(ホンダ・新井康久F1総責任者)というが、問題点の解決に手間取り、戦力の向上にまで至っていない。不振にはマクラーレンのシャシーの問題もあるはずだが、パワー不足は目立つだけにホンダへの批判が高まる。
鈴鹿にはホンダを応援する多くのファンが訪れた。「感謝しかない。来年、鈴鹿に帰ってくる時には期待に応えたい」と新井総責任者。数年前に話題になったホンダの企業CMのフレーズ「負けるもんか」の精神が、今こそ求められる。【神保忠弘】
(毎日新聞)
ホンダは、GP2のエンジンと言われたことについて、奮起しないとダメだろう。
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