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2015年9月30日水曜日

<インドネシア>新幹線敗北 中国は「経済圏」に弾み

 「中国は高速鉄道の建設や運営で十分な経験を持っている。融資条件や技術移転、工期などの面でも競争力がある」。中国外務省の洪磊副報道局長は29日の定例記者会見で、そう胸を張った。中国企業は中東や南米などの途上国や新興国で鉄道の線路建設や車両輸出などの実績があるが、高速鉄道を建設から車両納入まで一括して受注するのは今回が初めてだ。高い技術力をアピールできる高速鉄道の輸出は悲願だった。

 中国は、川崎重工業や独シーメンスなど国外から導入した技術をベースに高速鉄道を開発。「独自の技術」として国際市場への売り込みを開始したものの、2011年7月に浙江省温州市で40人が死亡する高速鉄道事故が発生すると、外国へのセールスは一時停滞した。その後、事故原因となった列車制御システムなどは改善できたとして、売り込みを再開。14年11月にはメキシコの高速鉄道計画を落札したが、メキシコ政府の入札取り消しで受注を逃したこともあった。

 中国の高速鉄道は「他国より3割安い」(世界銀行)という低価格がセールスポイント。中国政府は今年、鉄道車両製造で世界1位と2位だった国有メーカー合併を実現させ、価格競争力をさらに高める構えだ。ロシア政府と高速鉄道の建設に向けた協議を進めているほか、今月には米カリフォルニア州ロサンゼルス-ネバダ州ラスベガスを結ぶ高速鉄道建設の受注を目指して、中国企業が米企業と合弁会社を設立したと発表するなど、攻勢を強めている。

 中国国内の景気が減速する中で、中国政府は製造業の高度化と国外へのインフラ輸出を新たな成長の柱に据えている。また、自国中心の「一帯一路」(陸と海のシルクロード経済圏)構想を提唱する中国は、東南アジアや欧州へのインフラ輸出を目指している。設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の資金なども使いながら、今回の受注成功をテコにインフラ輸出を拡大させ、経済圏構想の実現に弾みをつけたい意向だ。【北京・井出晋平】
(毎日新聞)

 日本の新幹線の安全性も、価格競争で負けるのだろうか。

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