県警によると、男子生徒は28日午後5時10分ごろ、伊勢市尾上町(おのえちょう)の「虎尾山(とらおやま)」付近で、女子生徒の左胸を包丁のような刃物で刺して殺した疑いがある。午後9時45分ごろ、女子生徒の知人から119番通報があり、駆けつけた警察官が遺体を確認した。司法解剖の結果、死因は失血死だった。
「(女子生徒に殺害を)頼まれた」。三重県警に殺人容疑で逮捕された高校3年の男子生徒(18)は、そう説明しているという。
女子生徒と同じ中学校の柔道部だったという少年は、高校に進んだ女子生徒が「自殺したい」と漏らしていると人づてに聞いた。別の少年によると、昨年、女子生徒は同級生の男子と川に飛び込もうとし、止められた。今年7月初めには同じ男子と行方が分からなくなり、5日後に見つかったこともあったという。
28日午後3時半、体育祭の練習が終わり、高校を出る女子生徒に、教頭が「気をつけて帰ってね」と声をかけると、にこっと笑ってこたえたという。殺害時刻は午後5時すぎとされる。「どこにいるの」。夜になり、女子生徒と、逮捕された男子生徒との連絡がとれないことを不安に思った友人らが、LINEを使って呼びかけた。
県警によると、男子生徒から居場所を伝える返信があり、現場に向かった友人らが、女子生徒が刺されているのを見つけた。同じ高校の生徒は、男子生徒が「殺してって言われたから、殺した」と友人らに話したと聞いたという。
女子生徒は、同県松阪市の住宅街に並ぶアパートの一室に暮らしていた。近くの住民は「近所のつながりはほとんどない」。女子生徒の姉は、取材に「私からお話しすることはできません」と涙声で話した。
(朝日新聞デジタル)
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