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2015年9月29日火曜日

西口文也【西武】ラス投飾れずも“西口節”で21年間の現役生活に別れ

◆西武2―4ロッテ(28日・西武プリンス)

 最後はやはり伝家の宝刀だった。西口の代名詞であるスライダーはわずかに外れ四球。ストライクにも取れる微妙な判定にファンのため息が漏れた。背番号13も少しだけ不満そうな表情を浮かべたが「若干低かった。でも、とんでもないボールじゃなくてよかった。スピーチのことで頭がいっぱいだった」と振り返った。

 1点ビハインドの5回2死。2番手で引退試合のマウンドに上がった。井口に対し最速136キロの直球を中心に追い込みフルカウント。しかし、最後は歩かせ交代を告げられた。

 岸、高橋光らベンチ以外のメンバーや同級生の中日・和田も最後の雄姿を観戦。「CSを争っている中、登板機会を与えてくれて感謝です」。今季最多3万2988人からの「西口コール」に両手を挙げ応えた。ベンチへ戻る目に涙はなかった。

 セレモニーも西口らしかった。ソフトバンク・松坂やオリックス・中島、巨人・片岡ら元同僚からのビデオメッセージには「うるっときたんで涙をこらえました」と、感極まりそうだった。

 しかし、スピーチが始まると一変。「入団して以来今が一番緊張しています」と始めると、「ノーヒットノーラン未遂2度、完全試合未遂1度。そして今日の四球。ファンの皆様の期待を裏切ることもたくさんありましたが、勇気と力をもらいました」と“西口節”全開。最後マウンドに置いたグラブは後継者の高橋光が大事そうに拾い上げ持ち帰った。ライオンズ一筋21年。皆に慕われた背番号13は最後まで明るく現役生活を全うした。(岸 慎也)
(スポーツ報知)

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