中朝国境近くの吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉市はマツタケ集散地として知られ、20軒以上のマツタケ問屋がある。吉林省産は人気が高く、1等品は1キロ約9千円だが、北朝鮮産は約6千円と安い。問屋経営者によると数年前から日本の輸入業者関係者が北朝鮮産を買い付け、日本に輸入するようになった。問屋に「産地は吉林」といった書類を偽造させているという。今年は豊作だったこともあり取扱量が初めて100トンに達する可能性があるという。
関係者によれば、延吉の問屋が北朝鮮からマツタケを仕入れる際、北朝鮮当局が経営する商社から購入するルートと、北朝鮮の農民から直接購入する2つのルートがある。農民から購入する場合も、中国に運ぶのに北朝鮮当局経営の運輸会社を利用しなければならない。その際、農民に支払う代金の10倍以上に相当する1キロ約1500円の運送料が課せられるという。
貴重な外貨源とされるマツタケは、金第1書記の秘密資金を扱い、国際社会の制裁対象でもある朝鮮労働党39号室の傘下企業が管理しているとされる。当局経営の商社などに支払われた代金は政権の秘密資金源になっている可能性が高い。(中国東北部・延吉 矢板明夫)
(産経新聞)
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