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2015年9月30日水曜日

英国の「悪夢のテーマパーク」解体、廃材は難民キャンプへ

 ロンドン(CNN) 英国の覆面アーティスト、バンクシーの手による政治的風刺が満載のテーマパーク、「ディズマランド」がこのほど閉園した。園内の施設は解体されるが、廃材を仏北部カレーにある難民キャンプへ送り、避難所の建設に再利用することが決まっている。

「ディズニーランド」を風刺したディズマランドは27日までの5週間、期間限定で英南西部のウェストンスーパーメアに開設されていた。

 公式ホームページには28日、新たに建設される「ディズマランド・カレー」の予告が掲載された。不要になった材木や設備はすべてカレー近郊の「ジャングル」難民キャンプへ送られ、避難所の建設に使われるという。「オンライン・チケットの販売はありません」との注意書きもある。

 予告文に添えられた画像では、ディズマランドのシンボルだったおとぎの城の廃墟が難民キャンプにそびえ立っている。

 同キャンプにはスーダン、エリトリア、アフガニスタンなどからの難民少なくとも3000人が収容されている。難民の多くは英国への渡航を希望しているが、カレー近郊にある英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)のターミナルでは今年6月以降、トンネルに侵入しようとして少なくとも11人が死亡した。

 ディズマランドには池に浮かんだ難民船の模型をリモコンで操作するアトラクションもあった。バンクシーが英紙サンデー・タイムズとのインタビューで語ったところによると、来園者は自分の操る船が難民ボートなのか、欧州など大国の船なのかを選ぶことができない仕掛けになっていた。

 バンクシーはインタビューで「私たちの快適な生活を維持するために、他国の子どもが地中海の難民船の船底で死んでいく。子どもたちにもこの現実を隠すべきではない」と主張した。

 バンクシーは社会的、政治的なメッセージを込めたストリートアートなどで世界的に知られている。ディズマランドについては「格差と、やがて来る破滅を表現した家族向けアトラクション」だと話していた。

 バンクシーは今年2月、紛争に苦しむパレスチナ自治区ガザを観光案内風に紹介した2分間の映像も公開している。
(CNN)

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