人襲った紀州犬に警察官発砲13発 ３人がかり射殺

　１４日午前２時半ごろ、千葉県松戸市稔台の路上で、近隣住民の飼い犬が相次いで人を襲い、警察官３人が拳銃１３発を放って射殺した。松戸署によると、飼い主の男性（７１）と近くに住む女性（２３）が犬にかまれて腕などに軽傷を負った。発砲によるけが人はいなかった。犬は７歳のオスの紀州犬とみられ、体長約１２０センチ、体重は２１キロ。

　同署によると、午前２時ごろ、知人と車で帰宅途中の女性が現場付近の路上で犬を発見。女性が車を降りて犬に近づいたところを襲われ、知人が通報した。その後立ち去った犬は再び近くの路上で発見されたが、飼い主にも襲いかかり、覆いかぶさるようにしてかみついたという。駆けつけた警官３人にも襲ってきたため、３人は計１３発発砲して犬を射殺したという。

　拳銃の流れ弾は付近の民家にも当たった。家の壁に穴が開いたとする女性（３４）は「警察から『地面に跳ね返って当たった』と聞いた。貫通はしていません。麻酔銃など他の方法はなかったのかな」と話した。

　同署によると、１３日午後９時３９分ごろにも付近の路上で、１０代の男性が特徴の似た犬に腕をかまれてけがをしており、関連を調べている。発見当時は犬は首輪をしていなかった。男性は、狂犬病の注射は受けたと説明している。同署は今回の対応について「現時点では拳銃の使用は適正かつ妥当だったと考えている」としている。

　◆紀州犬（きしゅうけん）　和歌山県原産の中型日本犬。家庭で飼われることが多く、飼育頭数ではシバイヌに次ぐ。狩猟犬だった地犬とオオカミの交配種を先祖に持つ。警戒心が強く、忠実、従順な性格とされる。白毛の個体が多い。１９３４年に、秋田犬や甲斐犬に次いで天然記念物に指定された。体高４６～５５センチ、体重１５～２５キロ（雄が若干大きい）。

（日刊スポーツ）

　３人で１３発が、適正妥当なんでしょうか。