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2015年9月26日土曜日

米中首脳会談:サイバー攻撃でスパイ禁止で合意

◇閣僚級対話を創設 年2回協議、年内に初会合

【ワシントン和田浩明、石原聖、アトランタ清水憲司】米国を国賓として訪問した中国の習近平国家主席と米国のオバマ大統領は25日、ホワイトハウスで会談し、最大の懸案だったサイバー攻撃による産業スパイ活動に関し、両国政府は実施したり支援したりしないことで合意した。また、サイバー犯罪に関する情報共有や捜査協力を有効に進めるため、閣僚級での年2回の協議を導入し年内に初会合を行うことも決めた。オバマ大統領は会談後の共同記者会見で「問題は(中国の)行動が伴うかだ」と述べ、中国からの米企業へのサイバー攻撃が続けば過去の事例にもさかのぼって、刑事訴追や制裁実施も辞さない考えを強調した。

 サイバー犯罪に関し、オバマ大統領は「規制が十分に発達していない」と指摘。米中や各国、国連などが協議してサイバー空間の規則作りに取り組む必要があると述べた。米中は上級専門家グループを設置して協議することも決めた。

 もう一つの懸案である南シナ海などでの中国の強硬な領有権の主張に関しては、埋め立てや軍事施設建設の中止を改めて求めた米国側と、「自国の領域内で問題はない」との中国側の主張が平行線をたどった。オバマ氏は会見で「全ての国に航行・飛行や通商の自由があることを主張した」と説明。習主席は「南シナ海の島しょは古来、中国の領土だ」とこれまでの主張を繰り返したが、事態の平和的解決を目指す姿勢にも言及した。

 一方、習主席は会見で「中国の経済改革と市場開放は止まらない」として改革実行を約束しつつ、「中米は経済的に高度な補完関係にある。さらなる協調に向け大きな将来性がある」と述べ、経済関係強化の「実利」を強調した。ただ、人民元など焦点となった経済問題では、協議はかみ合わなかった。

 中国は、人民元を国際主要通貨に押し上げるため、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)への採用を目指し、最大の議決権を持つ米国に賛同を求めている。ホワイトハウスによると、米側は「中国の努力を歓迎する」としながらも、今後の金融市場改革の進展次第で判断する方針を示し、言質を与えなかった。

 中国主導で設立する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」についても、米側は既存の国際金融機関と同様、厳格な融資基準の採用を求める姿勢を改めて表明した。習主席は「AIIBは米国の国益に資する。参加を望んでいる」と呼びかけたが、オバマ氏は回答しなかった。

 気候変動問題への対応では、中国側が会談で2017年から全国レベルで温室効果ガスの排出量取引を鉄鋼や発電などの分野で導入することや、途上国の気候変動対策を支援する200億人民元(約3800億円)規模の基金設置も表明、オバマ氏は歓迎する意向を示した。米国も途上国向けの温暖化対策基金に30億ドル(約3600億円)の拠出を表明していた。

 共同会見で両首脳は、世界の2大国である米中が方針の違いを管理しつつ協力領域を広げることが、両国だけでなく世界全体の利益になるとの認識も示した。

 両首脳は両国軍用機の偶発衝突を回避するための行動規範でも合意。北朝鮮については、北朝鮮を核保有国と認めず、朝鮮半島の非核化を進める姿勢で一致した。

 

 ◇25日の米中首脳会談の合意骨子は次の通り。

 一、両政府はサイバー攻撃による産業スパイ活動を実施・支援しない。サイバー犯罪に関する年2回の閣僚級対話メカニズムを創設。

 一、2017年から中国が温室効果ガスの排出量取引制度を導入。両国が途上国向け金融支援を表明。

 一、両国軍用機の偶発衝突を回避するための行動規範で合意。

 一、米中投資協定交渉を加速。中国は人民元の透明性確保の重要性を認識。          【北米総局】
(毎日新聞)
 ほとんど、成果なしだろう。

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