▽刑事責任追及も
「汚染で特に子どもや高齢者、呼吸器疾患を抱える人たちが健康に悪影響を受けかねない」。この問題を18日に発表した米環境保護局(EPA)は、違法ソフトウエアを用いたVWのディーゼル車が実際の走行時に基準の最大約40倍もの窒素酸化物(N〓(Oの横に小文字のX) )をまき散らすことに憤った。
EPAは大気浄化法違反でVWに最大約180億ドル(約2兆1600億円)の民事制裁金を科す可能性がある。米メディアによると、米司法省も刑事責任を問う可能性を含めて調査を始めた。
米国で所有者らの訴訟が起きており「VWはより長期にわたって一段と多額の費用支出を迫られる」(在米自動車ジャーナリスト)との見方が多い。訴訟の行方次第では、収益を長期間圧迫しかねない。
▽切り札
VWの米国での販売は1~8月に前年同期より2・8%減った。不正の背景には、世界販売台数で首位を争うトヨタ自動車グループに勝つため「足を引っ張る米国市場のてこ入れを焦ったのではないか」(米自動車販売会社幹部)との指摘もある。
VWが劣勢を挽回する切り札として積極的に宣伝したのが「クリーンディーゼル」の呼び名でアピールしてきたディーゼル車だ。問題となったソフトは、試験時に排ガス浄化機能がフル稼働してN〓(Oの横に小文字のX) の基準を満たす一方、通常走行時には浄化機能が大きく下がる。
米メディアによると、米国がN〓(Oの横に小文字のX) 基準を厳しく設定する中、VWはこの基準を守ると燃費性能が低下してライバル車よりも見劣りするのを嫌気し、不正に手を染めたとみられている。
▽お家騒動
ウィンターコルン会長が不正を知っていたかどうかも焦点。会長は技術の細部にこだわり、重要な決定は自分で下す経営スタイルで知られる。ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネによると、把握していなかった可能性は低いという。
VWではことし4月、ピエヒ監査役会長がドイツ誌にウィンターコルン氏と「距離を置いている」と語ったと報じられ「お家騒動」が表面化。ピエヒ氏が辞任に追い込まれ、勝ったウィンターコルン氏は任期を当初予定から2年延ばし2018年末までにするとみられていた。
同氏は今月22日に「私をこの先も信頼してほしい」と、トップの座にとどまる考えを示唆した。 だが、急成長をけん引した手腕にも問題発覚で疑問符がついており「早く引責辞任すべきだ」(アナリスト)といった声が高まっていた。 (ブリュッセル、ニューヨーク共同=桜山崇、大塚圭一郎)
(共同通信)
米国とドイツの不仲も、この問題に影響するのだろう。
燃費性能を良くするために、排ガス規制不正はおもしろい。
会長が知らないということが、あるのだろうか。
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