折田被告の町長時代に副町長を務め、折田被告の辞職に伴う昨年11月の出直し町長選で初当選した伊能正夫町長は、毎日新聞の取材に「(政治資金の)経理は国民の税金が絡むことなのだから、しっかり管理してほしかったという気持ちは今でもある。ただ、私としては、預かる町政に全力を尽くすだけ」と言葉を選んで語った。
折田被告は起訴前から虚偽記載の容疑を認めていたが、大沢正明知事は9日の定例記者会見で「潔白を信じています」と話した。大沢氏が2007年の知事選で現職らを破って初当選した際には、小渕氏の秘書だった折田被告が大沢陣営の選挙戦を取り仕切り、当初の劣勢をはね返したとされる。
小渕氏の政治資金不正処理問題が明るみに出た昨秋、折田被告は「すべて私の責任です」と述べ、町長を辞職した。初公判が開かれた14日、町役場を訪れていた町民の男性(74)は「折田さんが町長を辞めると聞いたときは驚いたが、私らにはもう過去の話。小渕さん(恵三元首相)は地元によくしてくれたし、折田さんには同情している人も多いんじゃないか」と話した。
小渕氏は昨年10月の経産相辞任に際し、記者会見で「説明責任をしっかり果たしたい」と明言した。しかし、年末の衆院選でも、今年4月に折田被告が在宅起訴された際にも、折田被告が起訴内容を認め禁錮刑を求刑された14日にも「説明」はなかった。中之条町に住んで50年以上という主婦(76)は「町長時代も小渕さんのお金を管理していたと聞いてあきれた。お金を管理させていた小渕さんに責任はないのか。町民をばかにしている」と疑問を呈した。
東京地検特捜部は小渕氏本人を「容疑不十分」で不起訴にした。これに対し、小渕氏らを特捜部に告発していた「市民オンブズマン群馬」が不起訴は不当として検察審査会に審査を申し立てている。
高崎市棟高町にある小渕氏の高崎後援会事務所。昨年10月の東京地検の家宅捜索の際には、テレビ各局の中継車が並んでいたが、折田被告の初公判が開かれた14日午後には訪れる支持者の姿もなく、ひっそりと静まりかえっていた。【高橋努、増田勝彦】
(毎日新聞)
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