雨が降りしきるQVCマリン。昨年9月29日の西武戦(札幌ドーム)以来352日ぶりとなる今季初勝利に、カクテル光線に照らされた斎藤の白い歯がキラリと輝いた。
「何としても勝ってチームに勢いを付けたかった。9月の初勝利。周りから見たらたかが1勝でも、ぼくにとっては価値がある。とりあえずほっとしています」
8月22日のオリックス戦(東京ドーム)以来の1軍登板。六回以外は毎回走者を出す苦しい展開で、奪三振は0だったが、フォークと最速142キロの直球を織り交ぜ、凡打の山を築いた。
昨年右肩痛から復帰し迎えたプロ5年目。勝負の1年と位置付けていた。キャンプ中には高校時代以来となる200球を超える投げ込み。6月には、栗山監督の提案でプロ初の中継ぎを経験した。「監督のためにも、結果を残さないといけない」。先発投手としてのプライドを捨てて、挑戦した。
「次に肩を壊したら(選手生命は)終わりだと思っている」
生活も改善した。栄養学を勉強し、酒量も減らした。飲んでも乾杯の1杯だけ。その後はソフトドリンクに移行する。けがをしてから、体のことを最優先に考えるようになった。
開幕から173日で、ようやく手にした今季初勝利。栗山監督は「自分の行く道が見えてきた。結果を残した人は次も行く」と次回登板を示唆した。「あと1勝したいですね」と謙虚な目標を掲げた斎藤。完全復活への一歩をしるした背番号18が、クライマックスシリーズに向けて、重要なピースのひとつになる。
(サンケイスポーツ)
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