環境省は十一日、記録的な大雨の影響で福島県飯舘村の河川が氾濫し、東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た汚染廃棄物が入った大型の除染袋が川に流出したと発表した。八十二袋を発見し三十七袋を回収したが、周辺一帯が冠水、道路が寸断されて調査できていない場所もあり、全体の流出数は把握できていない。回収した三十七袋はいずれも破損しておらず、中身の漏えいは確認されていない。
環境省によると、流出したのは約一立方メートルの「フレコンバッグ」などと呼ばれる袋。付近の農地の除染で刈り取った草などが入っており、重さは一袋約二百~三百キロ。仮置き場に運ぶ前、一時的に新田川(にいだがわ)や比曽川の近くの水田に置いていたという。
◆福島第一原発 汚染水流出7回目
東京電力福島第一原発で十一日、建屋周辺の汚れた雨水などを集める排水溝の水が堰(せき)を越えて外洋に流出した。四月以降、確認されただけで七回目。漏れた水量は不明だが、放射性セシウム134が一リットル当たり一一〇ベクレル(放出限度は同六〇ベクレル)、セシウム137が四二〇ベクレル(同九〇ベクレル)含まれ、法的に認められる濃度を超えていた。
◆海外メディア関心 汚染水報道
【ニューヨーク=北島忠輔】米CNNテレビは十日、栃木、茨城両県などの豪雨被害について、現地リポートを交えて「激しい洪水が日本を襲った」と報道。東京電力福島第一原発事故に触れ、「(日本では)放射性物質を含む汚染水が海に流出したと伝えられている」と報告した。
記者は鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市から中継。汚染水流出について「東京電力は調査の結果、通常のレベルと説明している」と伝えた。
ABCテレビは、濁流が家屋を押し流す空撮映像を放映し、「二〇一一年の津波災害で事故が起きた原発施設への影響に懸念が広がっている」と伝えた。
(東京新聞)
海外メディアは、汚染水に高い関心を持っており、原発事故が終息した、とは思っていないのだろう。
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