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2015年9月12日土曜日

早朝、調布で震度5弱 気象庁「首都直下 関連ない」


 十二日午前五時四十九分ごろ、東京都調布市で震度5弱の地震があった。埼玉、千葉、神奈川各県で震度4を記録し、宮城県から岐阜県までの広い範囲で揺れを観測した。気象庁によると、震源地は東京湾で、震源の深さは約五七キロ。マグニチュード(M)5・2と推定される。津波はなかった。 

 政府が想定している首都直下地震との関係について、気象庁の長谷川洋平地震津波監視課長は記者会見で「今回はエネルギーが約千倍小さく、直接関係はない」と指摘した。

 長谷川課長は「二、三日程度、最大震度4の余震が起こる可能性がある」として注意を呼び掛けた。

 国土交通省東京空港事務所によると、羽田空港の滑走路などに異常は見つからず、離着陸に影響はないという。東海道、東北、秋田、山形、上越、北陸各新幹線は通常通り運行した。千葉県松戸市消防局によると、市内の女性(69)がベッドから転落し、左腕を骨折した。

 島部を除く東京都内で震度5弱以上を記録したのは、昨年五月五日に伊豆大島近海を震源とする地震で、千代田区で震度5弱を観測して以来。


 政府は、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。各地の主な震度は次の通り。

 震度5弱=調布西つつじケ丘(東京)▽震度4=さいたま北区、春日部粕壁、狭山(埼玉)木更津市役所、富津、浦安(千葉)大手町、西新宿、目黒中央(東京)鶴見、馬場、横浜(神奈川)など

     ◇

 十二日朝の東京湾を震源とする地震は、想定されるマグニチュード(M)7クラスの首都直下地震に比べ、Mが2程度小さく、地震のエネルギーは約千分の一と桁違いに小さい。気象庁は「プレート(岩板)が複雑にぶつかり合う関東では、いろいろな地震が起こり得る。そういう環境の中で起きた地震の一つ」と説明。首都直下地震と直接の関連はないとみられる。

 ほとんどの所で震度4以下の揺れで済んだが、東京都調布市だけ震度5弱となったのは、地盤の影響などが考えられるという。

 二〇〇五年七月の千葉県北西部を震源とする地震では、足立区で震度5強を観測している。

 気象庁によると、今回の震源は多摩川の河口に近い東京湾の地下やや深い所で、フィリピン海プレートの内部。北西と南東に引っ張られる力が働いてプレート内部がずれ動いた「正断層」タイプとみられる。

 気象庁は「今回の地震に関係なく、首都直下地震はいつ起きてもおかしくない」として、家具の固定などの備えを呼び掛けている。

 今回の震源の位置は東京湾北部で、まさに政府が想定する首都直下地震と同じところだ。しかし規模が大きく異なる。

 平田直(なおし)・東京大地震予知研究センター長は「東日本大震災の後、首都圏の地震は増えた。しかし四年半たって徐々に減り、平常にもどりつつある」と分析。「ただ平常といっても、M7級の地震が百年間に数回起きている。警戒を怠ることはできない」と指摘している。

 山岡耕春(こうしゅん)・名古屋大教授は「今回の地震はフィリピン海プレート内部が震源とみられる。(プレート間の地震ではないので)さらに大きな地震を誘発する可能性は低い」との見方を示している。 (宇佐見昭彦、吉田薫)
(東京新聞)

 今回の地震に関係なく、首都直下地震はいつ起きてもおかしくない、がポイントだろう。

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