欧米や中東のメディアによると、ロシアは9月、戦車や戦闘機、高射ミサイル砲複合体を兵員とともにシリアへ送り込んだとみられている。シリア北西部ラタキアと近郊で、民間空港の修復やシリア空軍基地の滑走路拡張も進めている。
アサド政権はシリアの4分の1程度しか掌握しておらず、ロシアは軍事的テコ入れで劣勢を挽回させたい考えだ。ロシアが関与を深めることで、米国など有志連合やシリア反体制派が、アサド政権側を攻撃するのを困難にする意図もある。
プーチン大統領は「シリア政府軍の積極的な参加なくしてテロリストは排撃できない」とし、「テロとの戦いに現実的に貢献できる全ての勢力」が結集するべきだと発言してきた。米主導の有志連合に、シリアやイラクの政府軍、イラン、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどを加える構想とみられる。
ロシアは、シーア派大国イランや同派を基盤とするアサド政権との関係を中東政策の基軸としており、アサド政権の倒壊を避けようと躍起だ。プーチン政権は同時に、対イスラム国を旗印とする仲介外交をまとめ、ウクライナ危機で発動された対露制裁の緩和といった見返りを狙っている。
ただ、米国や有志連合のスンニ派諸国は、アサド政権こそがシリア内戦の原因だと考えており、ロシアとの隔たりはなお大きい。ロシアがアサド政権側で独自参戦する可能性も指摘されているが、その場合はスンニ派諸国との関係が決定的に悪化する恐れがある。
(産経ニュース)
ロシアは、少数派のシーア派への武器輸出拡大と対露制裁緩和を狙っての行動なのだろう。
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