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2015年9月26日土曜日

<米中首脳会談>「サイバー攻撃実行せず、支援せず」で合意

 【ワシントン和田浩明、石原聖】オバマ米大統領と、国賓として訪米した中国の習近平国家主席は25日、ホワイトハウスで会談した。両首脳は会談前にスピーチし、習氏が提唱する米中の「新型大国関係」を巡る双方の戦略問題で応酬を繰り広げた。会談後、両首脳は共同記者会見に臨み、オバマ氏は「どちらの国も知的財産を盗むサイバー攻撃を実行しないし、支援しないことで合意した」と述べた。ホワイトハウスによると、両国はサイバー犯罪について対策を話し合う年2回の高官級の対話メカニズムを創設する。両首脳の会談は昨年11月以来。

 対話メカニズムは、今年中に1回目の対話を行うとしている。また、共同声明で、中国が2017年に温室効果ガス排出量取引制度を創設し、米中が途上国向けに気候変動対策として各約30億ドル規模の金融支援を行う方針を明らかにした。

 首脳会談に先立ってホワイトハウス南庭で歓迎式典が開催され、21発の礼砲で習氏を出迎えた。その後、オバマ氏は「あなたも同意すると思うが、我々は率直に相違点を指摘しなければならない。米国は真実を語り続ける。企業が公正に競争し、紛争が平和的に解決され、全ての人々の普遍的人権が守られることで世界は進展をみる」と中国をけん制した。

 これに対し、習氏は「われわれは新型大国関係を正しい方向に進め、平和と尊重、協力を両国関係の主旋律とし、両国関係を健全で安定した軌道に乗せて発展させなければならない。戦略的相互信頼を増進し、相互理解を深め、双方の利益と関心事項を尊重すべきだ」と述べ、「新型大国関係」の推進を主張した。

 オバマ大統領は会談前、中国政府が支援するサイバー攻撃で米企業の知的財産が盗まれているとして、制裁も辞さない強い態度で中止を求めていた。一方、習氏は訪米初日の演説で関与を否定し、サイバー犯罪の抑止に向けた米国との「ハイレベル対話」を訴えた。米メディアは、両首脳は携帯電話網など重要インフラへのサイバー空間での先制攻撃禁止で合意する可能性があると報じており、双方が歩み寄れるかが焦点になっていた。

 南シナ海を巡っては、中国が周辺国と領有権を争う海域の浅瀬を埋め立て、3本目の滑走路を建設中と報じられた。アジア太平洋地域への「リバランス(再均衡)」を進める米国は南シナ海の「航行の自由」を主張し、中国が「領海」と主張する海域に米軍機や艦船を「進入」させる方針を表明するなど反発を強めていた。

 人民元の切り下げ問題では、米国内では「中国の『為替操作』が米国内の雇用を失わせている」との厳しい世論がある。だが、習氏は演説で「人民元相場が下がり続ける根拠はない。市場で相場が決まる改革を続ける」と反論、平行線をたどっていた。両首脳は人民元のほか、事務レベル交渉を加速させていた米中投資協定なども議論したとみられる。
(毎日新聞)

 習近平の「双方の利益と関心事項を尊重すべきだ」は、南シナ海に口出しするな、と言っているのだろう。
 

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