ページビューの合計

2015年9月21日月曜日

掃除や服薬を支援 一人暮らし、孤立防げ 認知症社会

 午前8時半、埼玉県の女性(83)宅を介護事業所「多機能ホームまどか」の中本嘉子さん(49)が訪れ、冷蔵庫内の整理を始めた。女性は認知症で、一人暮らしをしている。

 この日は、燃えるごみの回収日。「これ、どうする?」。中本さんが庫内の食料品を見て声をかける。賞味期限切れのところてん、かびのはえた干物、乾いた豆腐……。女性が「捨てないで」と答えたものは残し、それ以外はごみ袋へ。捨てる食料品は30リットル入りの袋の半分ほどになり、中本さんが集積場に運んだ。

 女性が認知症と診断されたのは昨年3月。外出先で突然意識を失って救急車で運ばれ、検査を受けてわかった。神奈川県に住む会社員の長男(62)が地域包括支援センターに相談し、「まどか」につながった。

 中本さんが初めて訪ねたとき、1階の居間は、大量に購入したとみられる健康食品の箱が山積みで、何袋ものトイレットペーパーや洗剤、衣類などで足の踏み場もないほどだった。廊下やベッドの上にも物があふれ、異臭が漂っていた。

 毎日約30分の訪問サービスを始めた。ごみ出しのほか、掃除や服薬介助などをする。銀行のお金の引き出しにも同行する。女性は「来てくれると日付とかを思い出せる。片付けもありがたい」と笑顔で話す。

 「まどか」は介護保険の事業所で、訪問のほか、通いと宿泊のサービスもある。女性は週3回通う。75歳ごろまで結婚式場などの配膳係をしていた経験から、昼食時は進んで他の利用者の食事を運ぶ。利用料は、昼食代などを含めて平均で月約2万4千円だ。

 女性は、いつも赤い口紅とネックレスでおしゃれをしている。家にいる日は洗濯をし、近所の女性とおしゃべりをする。スーパーに買い物にも行く。夫は約30年前にがんで亡くなった。長男は「一緒に暮らそう」と言ってくれるが、女性は「なじんだ家を離れたくない」と言う。

 長男夫婦は月2~3回、車で3時間かけて来る。でも、長男は肺がん、妻は糖尿病を患う。「母に何かあっても『まどか』で対応してくれるので安心です」

 「まどか」を利用する21人のうち19人は認知症。うち7人が一人暮らしだ。管理者でケアマネジャーの中本さんは「症状は一人一人違い、認知症の進み具合によっても状態は変わる。個々の状況をみて、できることを生かし、できない部分を補えば、一人で暮らせる場合もあります」。

 ただ、すべてを支えるのは難しい。近所の人には「何かあれば連絡を」とお願いし、食料品店や銀行にも声をかけている。
(朝日新聞デジタル)

 一人暮らしの認知症の発症が増えるのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿