「英国は香港に次ぐ世界最大級の人民元取引の国外(オフショア)市場だ。中英は相互依存を深めており、共通の利害を持つようになっている」。ロンドン中心部のウェストミンスター宮殿(英議会)。一堂に会した国会議員や財界人らを前に、習氏は金融面での協力強化を呼びかけた。
中国の国家主席が英議会で演説するのは初めてだ。晴れの舞台で真っ先に強調したテーマが「人民元の国際化」だった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版によると中国政府は20日、ロンドン市場で元建て短期債の発行を完了したという。キャメロン首相とは英国内での元の決済サービス拡充なども話し合う方針で、実現すれば元の使い勝手が大きく増すことになる。
中国側は英国との金融協力を国際通貨基金(IMF)の準備通貨、特別引き出し権(SDR)への元の採用に向けた布石として利用する考えだ。国際的な金融センターである英国で元の利用が増えれば、ドルやユーロに次ぐ決済通貨として存在感を誇示できる。世界的な貿易や投資での利用拡大に元の地位向上は大きな課題となっていた。
英国側の利点も大きい。元建て金融商品の発行が増えれば、ロンドンに集積する金融業は手数料の拡大など大きな恩恵を受ける。欧州では同様の需要を見込んでドイツやフランス、ルクセンブルクなども元取引の誘致攻勢を強めていただけに、今回の合意で英国は人民元の「取引センター」として他国を大きくリードすることになる。
キャメロン首相との会談ではインフラ分野を中心とする経済協力についても話し合う。商談の規模についてロイター通信は200億ポンドと報じている。目玉となるのが英南西部のヒンクリー・ポイントで計画する原子力発電所での協力だ。資金難で建設が大きく遅れていたが、中国広核集団など中国の国有企業2社が33.5%を出資して数十億ポンドを負担するという。
高速鉄道の建設や高速通信の普及でも協力を進める。いずれも英政府の緊縮財政で設備更新や計画が遅れていた分野だ。「協力」と銘打つが、実際はチャイナマネーが英政府の投資を肩代わりする支援の色彩が濃い。
習氏はこうした大盤振る舞いを連発する一方、キャメロン首相に中国製の原発や高速鉄道の採用を強く迫るとみられる。先進国である英国の「お墨付き」を得れば、日米欧などと競い合う海外市場での受注合戦を有利に運べるとみるからだ。だが安全性などの面で中国の独自技術は未知数なだけに、ロンドン市民の間では不安も大きい。
(日本経済新聞)
王室が、習近平をもてなす映像は滑稽で、おもしろい。
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