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2015年5月3日日曜日

<原油価格>上昇基調に 過剰感薄らぐ 日本経済に逆風も

 昨秋から急激な値下がりが続いてきた原油価格が、再び上昇基調に転じ始めた。原油供給増加の主な要因となっていた米国のシェールオイル開発にブレーキがかかるなど、過剰感が薄らいできたからだ。初夏は行楽地へのドライブなどで米国を中心にガソリン需要が高まることなどから、価格はさらに上がる可能性もある。原油高騰は日本経済にとって逆風となる恐れがあり、今後の価格動向が注目される。【安藤大介】

 原油価格の国際指標となる米国産標準油種(WTI)は、昨年6月には1バレル=107ドル台をつけたが、昨秋以降、下落に転じ、今年3月には同43ドル台まで下落した。だが、その後はじわじわと上昇し、WTIは5月1日の時間外取引で一時59・90ドルと60ドル台に迫った。

 価格上昇の背景には、米国のシェールオイルが減産に転じたことがある。米国のシェール油田開発は、原油価格が1バレル=50~80ドル程度の水準で採算が取れるとされる。中東産原油の数ドル~30ドル程度よりもコストが高く、原油価格の下落で採算が合わなくなった。

 米石油サービス大手ベーカー・ヒューズによる5月1日時点の調査では、全米の石油掘削装置(リグ)の稼働数は昨年10月と比べて6割近く減り、開発の停滞が鮮明になった。米エネルギー情報局(EIA)の生産動向調査によると、シェールオイルを生産する米主要7鉱区の5月の原油生産量は、前月比5万7000バレル減の日量計556万バレルと推計される。昨年後半からの原油下落局面では初の減産となり、価格押し上げ要因となっている。

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之・主席エコノミストは「5月以降はガソリンの需要が増えるため、原油の在庫も頭打ちになるだろう」と話し、価格は7月にかけ1バレル=60ドル台前半で推移すると予想する。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は、欧州の景気回復傾向を要因に挙げ、「年後半にかけて緩やかに上昇し、70ドル近くに達する可能性もある」としている。

 今後の価格動向を占ううえで注目されるのが、6月の石油輸出国機構(OPEC)総会だ。昨年11月には、減産を見送ったことで原油のだぶつき感が当面続くとの見通しが広がり、価格急落に拍車をかけた。今回も減産は見送られる公算が大きく、価格を下押しする可能性もある。
(毎日新聞)

 原油価格が初夏から高騰し、日本経済にブレーキがかかりそうだ。
 原油高騰→物価高騰→2%インフレ目標達成→消費低迷→経済減速、とアベノミクスとは真逆のシナリオになるかもしれない。

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